大規模修繕でドローンを導入!検知できない浮きもあるので注意が必要

昨今の建物の大規模修繕において、ドローンによる赤外線外壁調査の活用が注目されています。

大規模修繕工事を行う際は一部打診を行い、その浮き率をもとに建物全体の浮き率を予測していました。

しかし、高層階は予想したよりも浮きが多かったという場合もあり、仮設後にタイルの施工不良が発覚した際には、数百~数千万の追加工事費が必要になったというケースもあるそうです。

足場を設置する前に、高層階の外壁調査をできるドローンであればこういった問題を解決できるでしょう。

この記事では、外壁調査事業を展開している『ドローンメイト』が、大規模修繕の前にドローンを導入するメリットをご紹介します。

最新の技術を活用して、低コストに建物管理を目指す方は、ぜひご覧ください。

目次

大規模修繕の前にドローン外壁調査を導入するメリット

大規模修繕の前にドローンを導入するメリットは以下の通りです。

  • 足場を組む必要があるか判断できる
  • タイルの健全性が確認できる
  • 外壁の劣化数量が把握できる

ドローンによる赤外線法のデメリットはこちらでまとめています。

メリット①足場を組む必要があるか判断できる

ドローンは、タイルの浮き、クラック、シーリングなどの劣化状況を事前に把握できるため外壁工事が必要か=足場を組む必要があるかをチェックできます。

以下は、足場を組んで叩かなければ確認できない浮きをドローンで撮影した画像です。

浮きの赤外線画像と可視光画像
左:赤外線画像 右:可視光画像

このようなまとまった浮きは、剥落する恐れがあるため補修が必要ですが、劣化が進行していなければ補修の緊急性は低いです。

タイルの浮き、水分滞留、クラック、シーリングなどの劣化状況を把握し、緊急で補修が必要か、または経過観察でよいか判断できます。

経過観察=足場がすぐに必要でないと分かれば、修繕周期を延伸できる可能性があるため積立金の節約が期待できます。

メリット②タイルの健全性が確認できる

コンクリートと張り付けモルタルの間に空隙ができる”浮き”は、進行すると剥落する恐れがあり広範囲の浮きはタイル張り替えが必要なため、大規模修繕の工事費に与える重要な劣化現象です。

浮きは、施工不良がない建物においては1年で0.19%発生すると言われますが、施工不良がある場合、1年で0.46%の浮きが見られたそうです。(2015年12月号「誤解を招くタイル浮き率指標-その1」)

区分10年後の浮き率
健全施工と不良施工の混在
施工不良1.9%
健全施工4.6%

酷い場合は浮き率が8~10%もあり、大規模修繕をスタートして仮設工事後にタイルの施工不良が発覚し、数千万円の追加工事が必要になるケースもあるそうです。

ドローンは足場を組む前に、外壁の大まかな浮き率もチェックできるため、全面の調査をしなくとも、南面の一面を調査するだけで大きな問題を抱えてないかチェックできます。

築9年目の定期報告(12条点検)の前に、ドローンを導入すればタイルの10年保証が切れる前に健全性が確認でき、大規模修繕の時期の把握もできるので効果的です。

メリット③外壁の劣化数量が把握できる

大規模修繕の前にドローン外壁調査を導入すれば、浮きやクラックなど、あとから追加工事が発生しやすい劣化数量を算出できます。

以下の画像のように、ドローンは48万画像の高解像度でありながら5倍~16倍の光学式ズームが可能なので、細かなクラックまで鮮明に写せます。

ドローンで撮影したクラックの画像

ドローンメイトの外壁調査では、浮きやクラックの数量を算出して報告書にまとめて提出します。

劣化数量計算

大規模修繕で足場を設置したあとに、予想よりも浮きやクラックが多い場合、追加費用が発生します。予備費や修繕積立金でまかなえればいいですが、もし足りない場合は一時金を徴収したり金融機関からの借入が必要です。

ドローン外壁調査を導入することで事前に劣化数量を把握し、追加費用のリスクを低減できるのは大きなメリットになります。

大規模修繕でドローンを導入する上での注意点

大規模修繕の際にドローンを活用するメリットは大きいですが、導入の際の注意点もあります。

  • ドローン外壁調査は全面打診の代わりにはならない
  • 北面や影面は検出精度が下がる

注意点①ドローン外壁調査は全面打診の代わりにはならない

ドローン外壁調査で打診を併用する調査員

ドローンは、赤外線カメラにより温度が高い箇所を検出するのであって、浮きを100%検出できるわけではありません。(打診法も含めて完璧に浮きを検出できる手法は存在しない)

赤外線の浮きの精度についてはこちらで解説していますが、厚さ0.1mmのほぼ空隙を伴わない浮きは検出できないという研究結果もあります。

弊社が打診と赤外線を同時に行った結果、体感8~9割は一致している結果となりました。

傾向として剥落リスクのある面積の広い浮きは問題なく検出できますが、浮き代が小さい浮き検出できない傾向があります。(接着力が弱まっただけで浮いてない浮きは検出できない)

赤外線調査で外壁を調査するデメリットついてはこちらでまとめています。

弊社では、赤外線調査を行う際はかならず手の届く範囲の打診調査を行い、2重チェックによる精度向上を目指しています。

打診法も調査員によって検出結果にばらつきがあり、加齢によって検出率が下がるといった実験結果(RC 造外壁タイルの打診調査の診断手法に関する考察)もあるように、ドローン外壁調査も同様に、100%浮きを検出は不可能です。

赤外線法による大規模修繕の際の劣化数量の算出は、工事の費用を保証するものではありませんのでご注意ください。

注意点②北面や影面は検出率が下がる

ドローンによる赤外線法は、日射が外壁に当たる際の壁面温度の上昇によって、異常部(劣化)を検出します。浮きの検出メカニズムはこちら

そのため、日射が当たらない面や、当たったとしても日照が少ない北面は劣化の検出精度が下がります。

以下は太陽光が若干当たった北面と南面を赤外線で撮影した画像です。

北面と南面の画像
左:北面 右:南面

どちらも浮きを検出していますが、北面(左画像)のほうがタイルの目地がぼやけているのが分かります。これは、日照が十分でないため、目地とタイルの温度差が小さいためです。

この北面の浮きは面積と空隙が大きいため検出できましたが、面積の小さな浮き代が小さい浮きは検出できない可能性がございます。

少し東向きに傾ている建物の北面は、季節によって早朝に日射が当たる時期もありますが、それでも太陽高度が低い時間のため日照が十分といえず、東・南・西面に比べて、調査精度は下がります。

そのため、大規模修繕前の劣化数量を調査するときは、東・南・西はドローンで行い、北面はロープアクセスで行うといった、組み合わせで行うのも一つの選択肢です。

ドローンのみで行う場合は、北面は剥落リスクが高い浮きの調査や、クラックなどの可視光撮影が中心となります。

大規模修繕でドローンを活用する際は、北面や影面は検出率が下がるため、北面のみ別途打診をいれるなどの対策が必要です。

大規模修繕の前にドローンを入れるコストはどれくらい?

見積書のイメージ

ドローンによる外壁調査は、1㎡あたり200円~600円くらいです。ドローンメイトでは、1㎡あたり280円前後でドローン外壁調査を受注しています。

建物の立地条件や周辺状況によっても変わりますが、外壁面積2000㎡の建物の場合、600,000円くらいが目安となります。ドローン外壁調査の見積りサンプルはこちら

予算の余裕がない場合は、一面のみの調査も承っています。

劣化が著しい南面(もしくは東・西面)だけを調査し、それを全体に当てはめれば建物の劣化傾向が掴めます。

建物によっても変わりますが、東・南面は日射量が大きく劣化しやすい傾向があります。(外壁の浮きはディファレンシャルムーブメントという、タイル・モルタル・コンクリート躯体の温度上昇により伸縮率の違いで生じる)

ディファレンシャルムーブメント
素材によって伸縮率が違う

例えば、南面で浮き率が8%あれば、施工不良の可能性が高く、西・東・北も同様に浮いていると予想できます。

大規模修繕の前に、ドローンで1面だけ調査すれば、全面のタイルの健全性やクラックの量・浮き率などの予想が立てやすくなります。

当社では、予算に応じて調査する範囲を変えられますので、お気軽にご相談ください。

大規模修繕の際のドローン導入ならドローンメイトにお任せください

ドローンは大規模修繕の足場の設置前に高層階の外壁の劣化状況を把握できるため新しい調査法として、導入する企業が少しずつ増えています。

当社では、ドローンの国家資格と赤外線の公的資格をもつ調査員が、国交省のガイドラインをもとに安全を第一に調査を実施します。

大規模修繕でドローン赤外線外壁調査のご活用を検討している方は、1面からでも調査が可能なためお気軽にドローンメイトにご相談ください。概算見積りも無料で受け付けております。

外壁を撮影しているドローン
外壁調査報告書サンプル
資料請求ボタン
ご相談・無料お見積りボタン
ドローン外壁調査の報告書サンプルダウンロード
外壁調査報告書サンプル
資料請求ボタン
ご相談・無料お見積りボタン
SHARE
  • URLをコピーしました!
目次