学校施設の外壁調査でドローン赤外線調査を外注する際の確認ポイント

学校施設のドローン赤外線調査で外注する際の確認ポイント

学校施設の外壁調査では、ドローン赤外線調査を活用することで、高所作業車や仮設足場を使用する範囲を減らし、調査費用や工期を抑えられる場合があります。

一方で、仕様書に外壁調査面積のみが記載されている場合、赤外線調査で対応できる範囲と、打診調査で補完すべき範囲の判断が難しいことがあります。特に学校施設では、樹木や植栽、撮影距離、日射条件、バルコニー、庇などにより、外壁面ごとに調査方法の検討が必要です。

この記事では、学校施設の外壁調査でドローン赤外線調査を外注する際に確認しておきたいポイント、赤外線調査範囲と打診調査範囲の分け方、概算見積を依頼する際に必要な資料、複数校をまとめて調査する場合の考え方について解説します。

入札前に概算見積を取りたい場合や、仕様書の外壁面積だけで見積依頼できるか確認したい場合の参考にしてください。

目次

学校施設の外壁調査委託業務での赤外線範囲と打診範囲の決め方

学校施設や公共施設の外壁調査委託業務では、仕様書の段階で赤外線調査範囲と打診調査範囲が分けられている場合があります。

自治体によっては、外壁面ごとに「赤外線調査〇㎡」「高所作業車による打診調査〇㎡」のように、調査方法ごとの数量が明記されていることもあります。

一方で、外壁全体の調査面積のみが記載されており、赤外線調査と打診調査の内訳が明確に示されていないケースも少なくありません。

このような場合は、仕様書や図面、配置図、現地写真、航空写真などをもとに、赤外線調査で対応できる範囲と、打診調査で補完すべき範囲を事前に整理することが重要です。

特に学校施設では、樹木の有無、撮影距離などにより、赤外線調査の可否が外壁面ごとに変わることがあります。

そのため、仕様書上で調査方法ごとの数量が明確に示されていない場合は、赤外線調査業者に現地下見、または図面・GoogleEarthの航空写真等による事前確認を依頼し、赤外線で撮影可能な範囲の目安を確認したうえで、概算見積を作成してもらうのが現実的です。

公共工事や学校施設の入札では、公告から入札日までの期間が短い場合もあります。また、必ず落札できるとは限らないため、入札前の段階では、まず概算見積として赤外線調査業者に相談する方法が一般的かと思います。

概算見積の段階では、赤外線調査で対応できる想定範囲、打診調査が必要になりそうな範囲、現地下見後に数量が変更となる可能性などを整理しておくことで、入札価格の検討がしやすくなります。

赤外線調査範囲を多くできれば入札価格を抑えやすい

外壁全面を打診調査で実施する場合、高所作業車や仮設足場が必要となり、調査費用が高くなる傾向があります。

一方、赤外線調査を活用できる範囲を広く設定できれば、足場や高所作業車を使用する範囲を減らせるため、入札価格を抑えやすくなります。

ただし、赤外線調査はどの外壁面にも一律に適用できるわけではありません。学校施設では主に樹木等の障害物、撮影距離などにより、撮影不可な箇所があります。

そのため、赤外線調査で有効に確認できる範囲を見極めたうえで、打診調査との分担を決めることが重要です。

ドローンで調査が困難な壁面とは?

学校施設で赤外線調査が困難になりやすい範囲

学校施設は敷地が広く、校舎の周囲に一定の撮影距離を確保しやすいことから、外壁赤外線調査に適した建物が多い傾向があります。

また、外壁仕上げもタイル張りやモルタル仕上げなど、赤外線調査の対象となりやすい仕上げが多く、公共施設の外壁調査では赤外線調査を活用しやすい建物用途の一つです。

一方で、学校施設であっても、外壁面の条件によっては赤外線調査による判定が難しい範囲があります。代表的なものは以下のとおりです。

  • 樹木や植栽で外壁が隠れている範囲
  • 隣地との距離が近く、撮影距離が確保できない範囲
  • 北面など日射が不足しやすい面
  • バルコニー内部
  • 光沢が強い仕上げ材が使用されている範囲

北面については、必ずしも赤外線調査ができないわけではありません。建物配置、周辺環境、季節、時間帯、外壁面の温度変化などによっては撮影可能な場合もありますが、南面や西面などに比べると判定条件が厳しくなる傾向があります。

また、意匠性の高い高等学校などでは、外壁の一部にラスタータイル等の光沢が強い仕上げ材が使用されている場合があります。このような仕上げ材は、太陽光や周辺物の反射の影響を受けやすく、赤外線画像上で温度差の判定が難しくなるため、赤外線調査には適さない場合があります。

これらの範囲は、赤外線画像だけでは浮きや剥離の判定が難しくなることがあるため、打診調査や目視調査を併用して確認することが望ましいです。

仕様書の外壁面積だけで赤外線調査業者に見積依頼は可能?

仕様書に外壁調査面積が記載されていれば、その面積をもとに赤外線調査業者へ概算見積を依頼することは可能です。

特に公共施設や学校施設の入札では、公告から入札日までの期間が短く、入札前に詳細な現地下見まで行うことが難しい場合もあります。そのため、まずは仕様書に記載された外壁面積をもとに、概算見積として赤外線調査業者へ相談する方法が現実的です。

概算見積を依頼する際は、可能であれば以下の資料もあわせて共有するとよいでしょう。

  • 建物名称と調査対象の棟
  • 仕様書
  • 立面図

図面や現地写真がない場合でも、建物名称、所在地が分かればGoogleマップや航空写真などをもとに、概算見積を作成することは可能です。

概算見積にはなりますが、調査内容に大きな変更がなく、現地条件も想定と大きく異ならない場合は、調査日数が増えることは少なく、比較的精度の高い概算見積を作成できるかと思います。

ただし、現地下見後に赤外線調査が困難な範囲や追加で打診調査が必要な範囲が判明する場合もあります。そのため、概算見積を依頼する際は、現地下見後に調査費用が変動する可能性があるかを確認しておくと安心です。

入札前で図面や写真が十分にそろっていない場合でも、仕様書の外壁面積、建物名称、所在地、調査対象の棟が分かれば、概算見積を作成できます。

学校施設の外壁調査で、赤外線調査範囲と打診調査範囲の振り分けに迷う場合は、まずは仕様書や図面をお送りください。赤外線調査で対応できる範囲の目安を確認し、概算見積を作成いたします。

複数校をまとめて調査することで工期とコストを圧縮できる場合がある

学校施設の外壁調査では、市内の複数校が1つの入札案件として公告される場合があります。

複数校案件では、学校同士の距離が近い場合もあり、小規模な学校同士であれば、1日で複数校を撮影できるケースがあります。

このように調査工程を効率よく組むことで、移動時間や人員拘束時間を抑え、工期とコストを圧縮できる可能性があります。

ただし、赤外線調査では、外壁面ごとの日射条件が重要になります。単に近い学校から順番に回るのではなく、太陽高度、太陽方位、建物方位、撮影対象面を踏まえて、撮影順序を組む必要があります。

例えば、午前中に撮影しやすい面、午後に撮影しやすい面、日射条件が限られる面などを整理したうえで、学校ごとの移動順序を決めることで、より効率的な調査計画を立てやすくなります。

弊社では、学校同士の移動距離や建物方位を確認し、適切な日射条件で各面を撮影できるよう、調査スケジュールの検討を行っています。

学校施設では上裏・庇裏の確認も重要

赤外線カメラで撮影した上裏の爆裂
赤外線カメラで撮影した上裏の爆裂(赤色が危険個所)

学校施設の外壁調査では、外壁面だけでなく、上裏、庇裏などの確認も重要です。

庇や上裏は、雨水の影響や、コンクリートのかぶり厚が不足している場合などにより、爆裂や仕上げ材の剥落が生じやすい部位です。

特に正面玄関の大庇などは、児童・生徒、教職員、来校者の出入りが多い場所に位置しているため、劣化や剥落が発生した場合の危険性が高い箇所です。

一方で、外壁調査業務の仕様書では外壁面積のみが記載され、上裏や庇裏の調査範囲が明確に示されていない場合もあります。

そのため、調査計画の段階で、外壁面だけでなく、落下時の危険性が高い上裏・庇裏・出入口まわりを確認対象に含めるかどうか、事前に確認しておくとよいでしょう。

弊社では、学校施設の外壁調査において、外壁面だけでなく、上裏・庇裏など、落下時の危険性が高い箇所も含めた調査計画をご提案しています。

まとめ

学校施設の外壁調査でドローン赤外線調査を外注する場合、仕様書の数量だけでは赤外線調査範囲と打診調査範囲の判断が難しいことがあります。

弊社では、学校施設や公共施設の外壁調査について、仕様書・立面図・建物名称などをもとに、入札前の概算見積にも対応しています。

赤外線調査で対応できる範囲、打診調査で補完が必要になりそうな範囲、複数校をまとめて調査する場合の工程などを確認し、入札価格の検討に使いやすい形でご提案します。

「この建物はドローンで調査できるのか」「赤外線調査と打診調査のどちらが適しているのか」など、建物条件に応じた具体的な検討については、下記よりお気軽にご相談ください。

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