外壁調査の手法を比較!ドローン赤外線調査と打診の違いとは?

外壁調査の手法は主に「打診法」「赤外線法」の2種類があり、それぞれに利点と課題をがあります。

外壁打診調査は、打音を確認することで外壁の状態を直接確認できるため、その精度が高く評価されていますが、一方で、足場やゴンドラの設置が必要でコスト面での課題があります。

一方で、ドローンによる赤外線調査は、精度面では打診調査にやや劣るものの、低コストで外壁の全面調査ができる手法として注目されている手法です。

この記事では、福岡・九州を拠点にドローン外壁調査事業を展開している『ドローンメイト』が、ドローン外壁調査とその他の手法についての違いを解説します。

外壁調査の手法を比較検討中の方は、ぜひ参考にしてください。

目次

ドローン赤外線調査と打診調査を比較

外壁調査には大きく分けて、打診法と赤外線法の2種類があります。以下の表は大まかにそれぞれの手法の特長をまとめています。

業者によって費用や品質にかなり差があると思われますので、あくまで目安としてご覧ください。

調査法精度コスト調査期間
特長
ドローン×赤外線
ドローン×赤外線
〇◎◎赤外線に加えてクラックの調査も同時にできる
高さに制限がないため高層建築物ほどコストパフォーマンスがよい

調査員によって精度に差がでやすい
地上赤外線法
赤外線カメラで外壁調査
〇◎◎1人で調査できるため低価格
地上から撮影するため高い建物は調査が難しい
クラック等の目視調査は別途必要
足場×打診
足場を設置して打診
◎××短い打診棒で耳を近づけられるため精度が高い
補修にもっとも適している
打診の効率が最も良い
ゴンドラ×打診
ゴンドラで打診
◎ゴンドラの設置費用が必要なため高額
風が強い日は作業ができない
足場よりも低コストで打診と目視ができる
ロープ×打診
ロープアクセスで打診
〇〇〇ドローンや赤外線法と組み合わせて調査できる
ピンポイントで補修も可能
調査精度や補修の品質は足場に劣る

調査コスト・精度・調査期間についてそれぞれ解説します。

調査コストの比較

手法1㎡あたりの費用
打診調査※1250~600円+仮設費
ドローン赤外線調査250~400円

ドローン外壁調査は、足場やゴンドラの設置が不要なためコストを抑えて調査が可能です。

また、現地調査は2人で一日と短時間で調査が可能なため、仮設工事を除いた打診調査の費用と比べても、若干ドローンの方が低コストで調査が可能です。

ラスタータイルや凹凸タイル等の赤外線調査が苦手な仕上げ材は、解析に時間がかかり夜間の撮影も必要になるため、コストが上がります。

赤外線法と全面打診調査の費用の比較についてはこちらで詳しく解説しています。

精度の比較

浮きの検出精度は、ドローンよりも打診の方が精度が高いです。

赤外線法は日射が当たっても温度上昇を伴わない、つまり空隙がない浮き(0.2mm以下や接着が弱まったタイル)は検出できないからです。

また、赤外線は下地浮きや陶片浮きを見分けるのが困難です。(外壁専門業者の方から聞いた話では、打診でも正確に下地浮きとタイル浮きを見分けるのは困難)

しかし、赤外線法といっても、基本的に手の届く範囲はできる限り打診を行います。ドローンで撮影する時間以外は、その建物の浮きの特性を掴むために叩いて叩いて叩きまくります。

打診+赤外線で調査した箇所は、打診単体よりも精度が高いとも言えます。

打診調査
赤外線法は打診が4割、赤外線が6割

赤外線法は調査員のスキルや調査にかける情熱によって、検出結果が大きく異なるためムラがある調査法と言えます。

太陽角度や方位を考慮して外壁が温まるベストな撮影タイミングを狙って同じ面を2~3回撮影時間や角度を変えて撮影する業者もあれば、外壁に日が当たっている時間帯に1回撮影して終わりの業者もあります。

調査員の赤外線調査に向き合う姿勢で劣化の検出精度は変わりますので、赤外線での調査技術を持つ業者をおすすめします。

赤外線と打診の精度の比較についてはこちらで詳しく解説しています。

調査範囲

調査範囲については打診調査はほぼ全ての箇所が可能ですが、ドローンによる赤外線調査は撮影できる範囲のみの調査となります。

以下は赤外線調査の調査不可や低精度の箇所を示した画像です。

赤外線の調査不可範囲

ベランダの内壁などは、太陽の日射が十分に当たらないため、調査精度が落ちます。(クラックは可視光カメラで調査できるため調査が可能です。)

また、樹木や雨樋の裏など、撮影するときに隠れてしまう場合は、調査ができません。

調査日数の比較

外壁の現地調査日数は、ドローン赤外線調査が圧倒的に短いです。

1,000平米でも3,000平米でも5,000平米でも1日で調査が可能です。(7000平米から1日では厳しい場合も)

対して打診法は、調査面積が増えればそれに比例して日数も増えます。

調査会社を対象にアンケート調査結果をまとめた論文「外壁診断費用に関する調査」では、2人1チームで打診調査をした場合の1日の調査面積は以下のように記載されています。

足場の条件1チーム2人の作業効率
足場不使用400㎡
梯子等250㎡
ゴンドラ250㎡
高所作業者250㎡
本足場375㎡
アンケート結果の中央値を表示

これに比べると、ドローンは1チーム(2~4人)で5,000㎡調査できるのは驚きですね。

ただし、その後1週間~3週間ほどPCの前に座って解析作業と報告書作成の作業を行います。足場をかける時間を短くしたい、商業施設などはドローンによるメリットは大きいですね。

ドローン外壁点検がおすすめなケース

①調査メインの場合

10年に1度の外壁全面調査(12条点検)や劣化診断等、外壁の全面点検をメインで行いたいばあいドローン外壁調査がおすすめです。

ドローン外壁調査は足場やゴンドラなどの仮設費用がかからないため、低コストに調査ができます。

調査の結果、劣化が進行しており剥落リスクが高い箇所や深刻な構造クラックがあれば補修の検討が必要ですが、劣化が少ない場合は経過観察で改修工事の時期を先送りできます。

外壁の全面点検を行いたいけれど、仮設工事の費用を抑えたいばあい、ドローン外壁調査がおすすめです。

②事前に補修にかかる予算を把握したい場合

お見積り作成

足場を組む前に補修にかかる予算をより正確に把握したい場合、ドローン外壁調査は有効です。

浮きやクラックは、足場を組んで近くで打診や目視で数量を算出するまで、正確な工事費用が分かりません。

そのため、仮の数量から見積金額を提示して契約を行い、詳しい調査を行ったあとに清算を行う実数清算方式が採用されます。

もし、追加費用が必要なばあいは、予備費から支払ったり、一時金を徴収したり、金融機関から借り入れて対処します。

しかしドローンであれば、足場を組む前に浮きやクラックをの数量を調査できるため、予算不足のリスクを低減できます。

足場を組む前に補修にかかる予算がおおよそどれくらいかかるのか把握したい場合、ドローン外壁調査がおすすめです。

ドローン外壁調査と打診の比較についての疑問

赤外線調査やドローン外壁調査のデメリットは?

赤外線法のデメリットは、天候によって検出精度に影響がでたり、建物の仕上げ材によっては調査が困難になる点です。

赤外線調査のメリット・デメリットについてはこちらで詳しく解説しています。

ドローン外壁調査は公式に認められている調査法ですか?

はい。令和4年4月に国土交通省より、定期報告における外壁の全面調査でドローンの赤外線外壁調査の使用について明文化されています。

国交省はドローン外壁調査を「一定の要領に従えばテストハンマーによる打診と同等以上の精度」と位置づけています。

詳細は、国交省のホームページ内の「定期報告制度における外壁のタイル等の調査について」をご覧ください。

ドローン赤外線調査ならドローンメイトにお任せください

赤外線調査は出始めた頃は赤外線カメラのスペックが低く、解析も十分にままならず、調査技術も普及してなかったため、低精度の調査法として位置づけられていました。

しかし、近年ではサーモグラフィ―の高性能化や調査技術の進歩、ドローンの登場により、コストパフォーマンスが優れた調査法として国交省にも認められた調査法となりました。

ドローンを使用した外壁調査は、足場を設置せずに高層ビルや広い面積の建物を短期間で調査できるため、大幅なコスト削減が期待できます。

ドローン外壁調査をご検討中であれば、無料で概算見積りを作成しますので、お気軽にドローンメイトにご相談ください。

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