175戸の分譲マンションでドローン赤外線調査を実施

築後約10年が経過した、地上10階建て・約175戸の分譲マンションにおいて、ドローンによる赤外線調査と打診調査を組み合わせた外壁調査を実施しました。

今回の調査目的は、外壁タイルの劣化状況を把握し、大規模修繕工事の実施時期を検討するための判断材料を得ることです。

足場を設置して全面打診を行う場合は相応の費用が必要になるため、ドローン赤外線調査を主体とし、赤外線調査に適さない範囲を打診調査で補完する方法をご提案しました。

ご相談内容

管理組合および建築コンサルタントから、次のようなご相談をいただきました。

  • 築後約10年が経過しており、現在の外壁劣化状況を把握したい
  • 大規模修繕工事の実施時期を検討するための判断材料がほしい
  • 足場の設置費用を抑えながら、できる限り精度の高い調査を行いたい
  • 外壁タイルに浮きや剥落のおそれがないか確認したい

そこで、ドローンによる赤外線調査と、手の届く範囲の打診調査を組み合わせた調査計画を立案しました。

建物概要

項目内容
建物用途分譲マンション
建物規模地上10階建て・約175戸
構造鉄筋コンクリート造
築年数竣工から約10年
発注者マンション管理組合
関係者建築コンサルタント
主な外壁仕上げ外壁タイル

建物はL字型の形状で、東面の一部が日陰になりやすい環境でした。

赤外線調査は、日射などによって外壁表面に生じる温度差から浮きの可能性がある範囲を確認する方法です。そのため、方角、日射、周辺建物による影、廊下やバルコニーの形状などを考慮して、調査方法を選定する必要があります。

調査方法の選定

南面・東面・西面

南面・東面・西面は日射条件を確認したうえで、ドローンによる赤外線調査を実施しました。

ドローンで外壁を撮影することで、足場を設置せずに高層部分を含む広範囲の赤外線画像を取得しています。

北面・日陰になる範囲

北面および東面の一部は、日射が当たりにくい陰面や共用廊下となっていました。

十分な表面温度差が生じにくく、赤外線調査では判定精度が低下する可能性があるため、これらの範囲は打診調査を優先しました。

地上付近

夏季に実施する赤外線調査では、地面からの照り返しによって外壁表面温度が上昇し、浮きによる温度変化との判別が難しくなることがあります。

そのため、地上から高さ約2mまでの範囲については、打診調査による確認を行いました。

実施した調査

今回の調査では、建物の方角や日射条件に応じて、次の調査を組み合わせました。

  • ドローンによる外壁の可視画像撮影
  • ドローンによる赤外線画像撮影
  • 地上から高さ約2mまでの打診調査
  • 階段および共用廊下の打診調査
  • 赤外線画像の解析
  • 高温部の近接打診による確認
  • 損傷位置および劣化数量の整理
  • 調査報告書の作成

赤外線画像で周囲より高温となっている箇所が確認されましたが、高温部がすべてタイルの浮きを示すとは限りません。

そこで、接近可能な箇所について打診調査による二重確認を行いました。その結果、当該箇所からタイルの浮きは確認されませんでした。

この確認結果を踏まえ、同様の温度分布についても外壁の形状、日射、反射などの影響を含めて総合的に解析しました。

調査日数

作業内容所要日数
ドローン赤外線調査1日
打診調査2日
現地調査完了から報告書提出まで約14日

足場を設置せず、赤外線調査と必要範囲の打診調査を組み合わせることで、広範囲の外壁を効率的に調査しました。

調査結果

打診調査および赤外線画像の解析結果から、外壁タイルの浮き率は0.1%未満となりました。

管理組合および建築コンサルタントが事前に想定していたとおり、外壁タイルの浮きは非常に少ない状態でした。

竣工から約10年が経過した建物でしたが、外壁タイルの施工状態および躯体の状態は良好であり、広範囲に及ぶ浮きや、早急な対応が必要となる著しい劣化は確認されませんでした。

今回の調査結果は、大規模修繕工事の実施時期や修繕範囲を検討するための基礎資料として活用されました。

今回の調査のポイント

今回の建物では、全面を一律に赤外線調査するのではなく、外壁の方角や日射条件に応じて調査方法を使い分けました。

  • 日射条件のよい外壁はドローン赤外線調査で広範囲を確認
  • 日陰や共用廊下は打診調査を実施
  • 地面からの照り返しを受ける低層部は打診調査で補完
  • 赤外線画像で検出した高温部を近接打診で確認
  • 損傷位置、劣化数量、浮き率を整理して報告

赤外線調査は、建物の条件を考慮して打診調査と組み合わせることで、コストを抑えながら外壁の状態を効率的に把握できます。

分譲マンションの外壁調査をご検討の方へ

株式会社ドローンメイトでは、ドローン赤外線調査、打診調査、ロープアクセス調査を組み合わせ、建物の形状や調査目的に応じた方法をご提案しています。

「大規模修繕工事の実施時期を判断したい」「足場を設置する前に外壁の劣化状況を把握したい」「修繕が必要な範囲や数量を確認したい」といったご相談にも対応可能です。

建物の図面や外観写真などをご共有いただければ、調査方法と概算費用をご提案いたします。

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