外壁の打診調査|ロープアクセス工法による全面打診検査

外壁打診調査とは


ロープアクセスで外壁の打診を行う調査員

外壁は一年を通して、朝・昼・夜の気温変化日射による温度上昇の影響を受けています。コンクリート・モルタル・タイルといった外壁の構成材料は、それぞれ熱膨張率が異なるため、温度や湿度などの環境変化によって相対的なひずみ(ディファレンシャルムーブメント)が生じます。

この繰り返しによって、仕上げ材と下地との間にわずかな隙間が発生し、いわゆる「浮き」という劣化現象が進行します。浮きは経年的に拡大し、やがてタイルやモルタルが剥落して落下事故につながる危険性が高まります。

こうしたリスクを未然に防ぐため、建築基準法に基づき10年に一度の全面打診等の調査が義務付けられています。

外壁の全面打診等の主な手法

外壁全面打診等には「打診調査」と「赤外線調査」の2種類の調査手法があります。

足場を設置して打診
打診調査
外壁を撮影しているドローン
赤外線調査

打診調査

調査員が打診棒を使って直接外壁を叩いて、音の違いから健全部と劣化部を判定する手法です。仮設足場や高所作業車、ゴンドラ等で調査を行いますが、仮設費が高額です。

一般的に足場を組むのが最も近接で安定した状態で調査でき劣化箇所をマーキングしながら調査できるため、精度が期待できます。しかし反面仮設費用が高額であり、仮設足場を組む時間もかかるため調査と修繕を分離できないデメリットもあります。

ロープアクセス工法による打診調査は、建物の屋上の丸環を利用したり、パラペットにクランプを設置して調査できるため、仮設費用を抑えて調査ができます。

赤外線調査

赤外線調査は、サーモグラフィーカメラで外壁の表面温度を測定し、その変化から劣化を判定する調査手法です。外壁仕上げ材と下地の間に隙間(浮き)があると、熱の伝わり方が異なるため温度分布に差が生じ、赤外線画像として可視化されます。

この手法は、大規模な建物でも短期間かつ低コストで実施できるという利点があります。特にドローンを用いることで、赤外線カメラに加え高倍率ズームカメラによる間接目視も同時に行えるため、調査効率と安全性を両立できます。

一方で、赤外線調査には精度面の制約があります。北面など日射の当たらない面では十分な温度差が得られず、判定精度が著しく低下します。また、温度上昇を伴わない種類の浮きは検知できない場合もあります。

そのため、赤外線調査と打診調査を組み合わせるハイブリッド方式も効果的です。例えば、日射条件の良い面はドローン赤外線調査、陰面や判定が難しい箇所はロープアクセスによる打診調査を行うことで、コスト面・精度面の両方を補完できます。こうした両技術を内製化している業者は限られており、当社の強みの一つです。

赤外線調査についての詳細はこちら

ロープ打診の利点

  • 仮設費用のコスト削減
    • 足場や仮設ゴンドラの設置が不要なため、初期費用を大幅に削減できます。
    • 特に部分調査や小規模改修ではコストメリットが大きくなります。
  • 調査と補修を分離できる
    • まずは調査だけを低コストで実施し、必要な箇所を把握した上で補修計画を立てられます。
    • 足場設置を前提としないため、発注者にとって予算計画が柔軟になります。
  • 複雑な形状の建物にも柔軟に対応
    • 庇やバルコニー、凹凸の多い外壁でも作業可能。
    • 任意の地点から下降できるため、セットバック等の特殊形状にも対応できます。
  • 工期の短縮
    • 仮設の設置・解体作業がないため、調査開始までの準備時間を短縮できます。
    • 短工期が求められる案件にも有効です。
  • 住民への配慮
    • シートで覆う必要がないため、日射や風を遮らず施設利用者への負担を軽減します。
    • 作業中に発生するのは外壁を叩く打診音のみです。
  • 防犯面で安心
    • 足場がないため、侵入経路を作らずに済みます。
    • 長期間の仮設設置による住民の不安を解消できます

外壁打診調査の報告書の内容とサンプル


  • 調査概要
  • 損傷図(劣化分布図)
  • 劣化数量
  • 目視調査の画像台帳
  • 作業風景写真

打診調査の料金


ロープによる打診調査:1㎡あたり約250円~500円
手の届く範囲の打診調査:1㎡あたり150円~300円

赤外線調査:1㎡あたり約120~350
ロープアクセスによる打診調査:1㎡あたり約250円~500円

現地調査から報告書を含めた金額です。梯子打診、チェアゴンドラ、高所作業車による打診調査についてもご相談ください。

ドローンによる赤外線調査は1㎡あたり約120円~350円程度です。(事前調査・事前通知・許可申請・報告書作成等すべて含む)
TEL:092-600-2699
FAX:092-600-2713

図面データ(立面図・平面図・配置図等)はinfo@dronemate.co.jpまでお送りください。

ロープ高所作業における安全対策


労働安全衛生法第539条に準拠し2本のロープで高所作業を行う調査員
  • 2本のロープを使用

作業員は「身体保持器具を取り付けたメインロープ」と「墜落制止用器具を取り付けたライフライン」の2本を常時使用します。(労働安全衛生法第539条の2に準拠)

  • 装備の点検

 メインロープ・ライフライン・支持物の緊結具、身体保持器具、接続器具については、損傷・摩耗・変形・腐食がないか事前に確認します。(労働安全衛生法第539条の3に準拠)

  • 独立した支持物への固定

メインロープとライフラインは、それぞれ別の支持物に確実に緊結し、万一の事態に備えます。(労働安全衛生法第539条の3に準拠)

  • ロープガードの設置

庇や出窓など突起物によるロープの擦れ・切断を防止するため、ロープ保護具(ロープガード)を設置します。(労働安全衛生法第539条の3に準拠)

お見積のご依頼はこちら

TEL 092-600-2699

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