北九州市でドローン赤外線調査・10年毎の外壁全面調査を依頼するなら|相場や依頼前の準備など

建築基準法で定められた10年に一度の外壁全面調査は、建物の安全性を確保し、万が一の事故を未然に防ぐために不可欠です。

ドローンによる赤外線調査は、足場やゴンドラ等の仮設工事が不要な分、低コストで外壁の全面調査が可能になります。

ドローンで外壁調査をしている写真

特に、北九州市で調査を行う場合、地方(九州・山口エリア)に拠点を置く業者に依頼することで、コスト面や対応の柔軟性でメリットがあるでしょう。

この記事では、主に「北九州市」の建物のオーナーや管理者、そして関連事業者の方に向けて、ドローン赤外線外壁調査の概要、費用感について解説します。建物の維持保全計画の一助となれば幸いです。

目次

サーモグラフィによる「赤外線外壁調査」とは

赤外線外壁調査は、建物の外壁劣化状況を把握するための有効な手法の一つです。国土交通省の定期報告におけるガイドラインでも赤外線調査が認められています。

赤外線カメラで目に見えない「浮き」を可視化

ドローンの赤外線カメラで撮影した浮きが確認できるマンションの画像
タイルの浮きを赤外線カメラで撮影した画像

建物の外壁、特にタイルやモルタルで仕上げられている場合、経年劣化などにより躯体コンクリートとの間に隙間が生じたり、部分的に剥離したりすることがあります。これがいわゆる「浮き」と呼ばれる現象です。

この浮きが進行すると、タイルやモルタル片が剥落し、重大な事故につながる可能性があります。

赤外線外壁調査では、専用の赤外線カメラ(サーモグラフィ)を使って、この「浮き」の可能性がある箇所を特定します。

赤外線調査の浮き検知の原理

外壁表面の温度差を捉えることで、浮き部と健全部を識別する仕組みです。例えば、晴れた日に太陽光で暖められた外壁は、浮き部とその下の空気層が断熱効果を持つため、周囲の健全部とは異なる温度分布を示すことがあります。この温度差を赤外線カメラで撮影・解析し、浮きの位置や範囲を非接触で推定します。

ドローンを活用することで、高所や広範囲であっても足場を設けることなく安全かつ効率的に撮影でき、初期段階の劣化を発見するのに役立ちます。

従来の打診調査との違いと併用のメリット

外壁調査では「打診調査」が広く用いられています。これは、打診棒で壁面を叩き、その音の違いから浮きを判断する方法です。確実性が期待できる反面、全面調査には足場やゴンドラの設置が必要となり、それに伴う費用や工期が課題となることがあります。

ドローン赤外線調査は、比較的低コストかつ短工期で、安全に実施できる点が特徴です。特に10年ごとの全面調査においては、赤外線調査で広範囲の撮影を1日で行い、その後解析により浮きの疑いがある箇所を特定します。

一次調査として外壁の劣化具合を把握することで、改修費用の予測補修時期の計画を立て、その後に仮設工事に進むことができます。この手順は、効率的かつ経済的な進め方といえるでしょう。

それぞれの調査方法には利点と留意点があるため、建物の状況や目的に応じて適切に組み合わせることが、精度の高い診断につながります。

マンション外壁タイルの赤外線調査について

赤外線調査はRC造の磁器タイルやせっ器タイルに対しても、調査が可能です。赤外線カメラを搭載した産業用ドローンであれば外壁の全面調査として有効な手段となります。

適用可能な建物や構造の主な条件

多くのマンションの外壁タイルにおいて、赤外線調査は浮き検知に活用できます。特に、鉄筋コンクリート(RC)造や鉄骨鉄筋コンクリート(SRC)造のマンションで、湿式工法(モルタル下地や接着剤張り)でタイルが施工されている場合に適しています。

PCa(プレキャストコンクリート)やALCのタイル仕上げも赤外線で調査可能です。

ただし、タイルの種類、施工方法(団子貼りや乾式工法など)、条件によっては稀に赤外線での検知が難しいケースも存在します。

また、小倉駅周辺のような高層建築物が多い地域では、調査物件が隣の建物の日陰になってしまう可能性も考えられます。

赤外線調査が向いている建物か専門的な判断を要するため、まずは建物の図面や現状を踏まえて専門業者に相談することをおすすめします。

北九州市のマンションに見られる外壁材と調査の適合性

マンションでは一般的な磁器タイルやせっ器タイルが使用されており、これらの外壁材は赤外線調査に適していると考えられます。

ここで考慮しておきたいのが、北九州市が持つ地理的特性です。市域は西を響灘(日本海)、東を周防灘(瀬戸内海)に面しており、沿岸部の建物は塩分の影響を受けやすい環境にあります。

爆裂
塩害の影響で中性化が進み爆裂した外壁

コンクリートの中性化を促進し、鉄筋の錆や、それに伴う外壁の「爆裂」や「浮き」を引き起こす一因となり得ます。

赤外線調査によって劣化の兆候を早期に把握し、適切な対策を講じることは、建物の長寿命化や将来的な修繕コストの抑制につながる可能性があります。

北九州市におけるドローン赤外線調査の費用に関する情報

調査費用は、皆様の関心が高い点の一つかと思われます。

建物の規模・階数・構造による費用の傾向

ドローン赤外線調査の費用は、調査対象となる建物の規模(壁面積)、形状、高さ、立地条件などによって変動し、250円~450円くらいが一つの相場感です。

建物や調査内容によって金額は大きく変わるので、あくまで目安ですが、足場の設置を伴う全面打診調査と比較した場合、コストを抑えられます。

他社料金との比較とコストパフォーマンスについて(九州・山口特化の視点)

調査費用を検討する際には、価格だけでなく、調査の品質や信頼性も考慮する必要があります。

九州・山口エリアに拠点を置く業者の場合、首都圏の業者に依頼する際に発生しうる旅費交通費を抑えられる可能性があります。また、地域の気候条件を考慮した柔軟な日程調整がしやすい点も挙げられます。

赤外線外壁調査は、ドローンを梯子や使用するため、基本的に車での移動になります。また、天候に左右されやすく、悪天候の場合は当日でも調査が中止になる可能性があるため、移動費や滞在費がけっこうかかります。

こうした点から、地域に密着して調査に対応している業者に依頼するのが、コストパフォーマンスに優れていると言えるでしょう。

柔軟な日程調整が期待でき、結果的に費用を抑えながらスムーズな調査を実現できます。

見積もりは無料?有料?

概算見積は無料で行っている業者が多いです。

建物の図面(立面図など)や所在地、建物の状況をお知らせいただければ、概算の見積もりをご提示できます。

ドローンメイトは福岡市を拠点に事業を行ってますので、状況に応じて無料で現地確認にお伺いし、建物の状態や周辺環境を確認した上で、より具体的なご提案やお見積もりを提示することも可能です。

北九州市の特定建築物における10年ごとの外壁全面調査の必要性

10年ごとに行う外壁の全面調査は、法的に定められた重要な義務です。

法定点検の対象となる建物と時期(建築基準法第12条)

建築基準法第12条に基づき、不特定多数の人が利用するマンション、ビル、病院、庁舎などの「特定建築物」の所有者または管理者は、定期的に専門資格者による調査・検査を実施し、その結果を特定行政庁に報告する義務があります。

この定期報告制度の中で、外壁については「竣工後・外壁改修後10年を経過した際に行う最初の定期報告時に、全面打診等による調査」が求められています。(※詳細な規定は、管轄の特定行政庁にご確認ください。北九州市の場合は市の担当窓口への確認が推奨されます。)

北九州市の場合は、例えば共同住宅の場合、5階以上の建物は10年1度の全面調査の対象となります。

詳細は北九州市の特定建築物等定期報告(報告対象と報告時期)でご確認ください。

北九州市もドローン赤外線調査を導入

2023年には北九州市内で複数の公共施設の剥落事故が相次いで発生したようです。

  • 2023年4月:小中学校の校舎の外壁の一部が落下する事故
  • 2023年5月:若戸大橋の金属片や市営住宅の外壁の一部の落下など

これらの事態を受けて、北九州市は公共施設全般の老朽化に局・委員会横断的に対応するため、2023年5月18日に「北九州市 市民の安全・安心を守る老朽化対策チーム」を結成しました。

この対策チームは、老朽化対策を推進し、市民の安全・安心を確保することを目的としています。2023年7月4日には、この対策チームが主催する「新技術勉強会」が開催され、ドローンなどを用いた外壁点検の新技術について検討されました。

外壁の緊急安全点検結果の対応最終報告及び市有建築物老朽化対策3つの改革の進捗状況報告

御見積りから現地調査の流れ

  1. お問い合わせ・ご相談: 電話やメールでお気軽にご連絡ください。建物の概要やご要望を伺います。
  2. ヒアリング・図面確認(1日~数日程度): 必要に応じて、建物の図面(立面図、平面図など)を拝見し、詳細な状況を把握します。
  3. 概算見積もり提示(1日~3日程度): いただいた情報に基づき、概算の見積もりをご提示します。
  4. 現地調査・詳細打ち合わせ(必要に応じて1日程度): より正確な見積もりや調査計画のため、現地調査を行う場合があります。周辺環境や建物の状態を確認し、飛行計画などを具体化します。
  5. 正式見積もり提示・ご契約(現地調査後1日~3日程度):
  6. ドローン飛行撮影(天候条件の良い日を選び1日~数日程度): 事前に飛行計画を策定し、安全管理を徹底した上でドローンによる赤外線撮影および可視光撮影を行います。
  7. 画像解析・報告書作成(撮影後1週間~3週間程度): 撮影した赤外線画像を解析し、浮きの可能性などを評価します。詳細な調査報告書を作成します。
  8. 報告書納品: 調査結果をまとめた報告書をお届けし、内容についてご説明します。

建物の規模や状況、天候により変動する場合があります。ご要望に応じて柔軟に対応いたします。

まとめ:北九州(八幡・小倉・門司・若松・戸畑等)でドローン外壁調査をご検討の皆様へ

今回は、北九州市の建物所有者様や管理者様、そして関連事業者の皆様に向けて、ドローン赤外線外壁調査に関する情報をお伝えしました。

10年に一度の外壁全面調査は、法的な義務であると同時に、建物の資産価値を維持し、安全を確保するための重要な取り組みです。しかし、そのコストや手間が課題となることもあるでしょう。ドローン赤外線調査は、その負担を軽減し、効率的で安全な外壁診断を実現する一つの選択肢です。

  • コストを抑えつつ全面調査を実施したい
  • 大規模修繕の前に、劣化状況を正確に把握したい
  • 足場の設置が難しい立地の建物をお持ちである
  • 塩害など、地域特有の劣化要因について懸念がある
  • 九州・山口エリアで、外壁調査を依頼できる業者を探している

このようなご要望がございましたら、一度、株式会社ドローンメイトにご相談いただければと存じます。

九州・山口の地域でドローン赤外線調査サービスを提供する事業者として、お客様の状況に合わせた適切なご提案を心がけております。

無料相談、無料見積もりも承っておりますので、お気軽にお問い合わせください。この記事が、皆様の建物維持保全の一助となれば幸いです。

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